囃子 望月太喜之丞
唄浄瑠璃狂言の初演からおつきあいくださっている太喜之丞師匠。今回の「藤戸」の眼目はお師匠さんの太鼓と言っても過言ではありません。大きな体からエネルギーがほとばっしっています。盛綱と影の武者のシーンは必見、必聴です。なにしろ、音が外まで響いて守衛さんが飛んできたというエピソードがありますからね〜。というわけで普通の稽古場が使えないのが悩みの種で…。伝統的な邦楽舞台はもちろんのこと日本音楽集団でも活躍してらっしゃいます。えっ? ええ、ええ素敵な似顔絵でしょう。そっくりでございますよ。実は、頂いた年賀状のを使わせていただいたのです。本物の顔の写真を見たい方、お弟子さんになりたい方はお師匠さんのホームページへどうぞ。
長唄 吉住小与ひで
吉住会のたて唄方の小与ひで師匠。 唄浄瑠璃狂言にもなくてはならない唄方さんでありますが、なんといっても 私、小与ひで師匠に惚れております。渋いですよ〜。いえ、枯れた渋さとは違います。艶のある渋さ。他にももちろん美声の方はいらっしゃいます。でも、きれいな声だけじゃ駄目。女性の唄方さんは特に、高音域は出ても低音域が難しい。お師匠さんはこの低音の声がよく通る。しかも情感たっぷりに。聞き惚れます。痺れます。唄浄瑠璃がいいのも頷けます。なにしろ、音楽監督の佐之忠師匠はめったに褒めないのですが、褒めてらっしゃいましたからね、私、自分の耳に自信を持ちましたもの。そのうえ、素敵な笑顔の美人…なのになぜ似顔絵か?それは、太喜之丞師匠の奥様だから。ふふふ。鴛鴦ですね。
杵屋 佐之義
三味線方として活躍する佐之義さんは、昨年、佐之忠師匠の後継者として黒御簾の付け師になられました。付け師というのは歌舞伎音楽に精通していなければなりません。あらゆる舞台に応じて音楽を付けていくのです。決まりものの音は当然として、役者さんや演出家の意向に合わせて選曲もしなければなりません。復活狂言はもちろん新作の場合は作曲もします。半端な修行ではできないのが付け師のお仕事なんですよ。才能豊で精進を怠らない佐之義さんです。それが結果にあらわれて、小唄では市丸賞を受賞しています。唄浄瑠璃狂言の初演から三味線方として参加してくださっていて、今回は佐之忠師匠からのお墨付きで「藤戸」の作曲をして下さいました。是非、音楽も楽しんで下さいね。
杵屋 佐之萌
ちょっと素敵な変わり種かな。というのも、佐之萌さんはウイーン国立音楽大学に国費留学してミュージカル専攻課で特別賞を受賞しています。佐之萌さんはもともとそちらが専門だったのですね。それが日本の伝統芸能に目覚め?今は落語芸術協会に所属する三味線方でもあります。お連れ合いの松本浩和さんが尺八をされていて、ご夫婦で子供たちの為に昔話を題材にオリジナル曲を中心にした玉松会という音戯話(おとぎばなし)の演奏活動もしていらっしゃいます。三人のお子様をもつお母さんでもありますからね。実は、初演の「心中初午桜」の時は妊娠中で大変な中でご出演されていたのです。私、後で知りまして本当に吃驚しました。才能も行動もパワフルでなんでも頑張ってしまう佐之萌さんです。