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終演しました。 |
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女の声だ。波の音に混って確かに聞こえる…なんと切ない悲しい声であろう。 平氏と対峙していた源氏の侍大将佐々木盛綱は、若い漁師から藤戸の海峡を渡る方法を聞き出し、先陣の勝戦をあげてこの地の領主となるが、その盛綱の前に不気味な老婆が現れ、あれは笹無し山で歌う狂うた女の声だと答える… |
一世の花匂いたち是非なき嵯峨の深山かな ひときわ権勢を誇る平清盛入道殿のご寵愛を賜りめでたの祇王御前の幸いや。 ええ、贅沢のし放題、道楽三昧でしたよ。 傷つき祈る現女の前に祇王と智照尼の姿がたち現れる… 心は別でしょ。体と心は別だもの… |
ああ…この血が恨めしい…あたしは罪深い女じゃなぁ… くるくると運命の糸が身を縛り悪縁の糸をたぐりて待つは地獄の落とし穴。 天と地の狭間は慈悲か無慈悲か紙一重。 糸問屋の惣領息子与之助と貰い子のおこんの姉弟は愛し合っていたが二転三転と運命に翻弄され… |
霞みがくれの花よりも床しき君が俤を見初めし縁の橋供養… 源頼朝に挙兵を勧め、平氏滅亡の始まりとなりける文覚上人の若かりし頃の名は遠藤武者盛遠だった。 人妻の袈裟御前に恋い焦がれ想いを打ち明ける。一計を案じた袈裟御前の甘言に乗せられ夫を殺害するがそれは… | |||||||||||